クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
呼吸を荒くした逢和君が、とうとう膝をついた。

ハッとした私は急いで逢和君から距離を取る。


「…ゼェ、ゼェ…あー…クソッ。」


逢和君が胸を押さえて懸命に息を整えている。




…私は、わかってなかった。




教室の端から端くらいまでの距離。

私たちの限界の距離。


そこから苦しそうな逢和君を見ながら

私は逢和君を助けるどころか、苦しめることしかできないんだって

ましてや好きだと思う資格すらないことに、今更気づいた私は

ポタポタと目から冷たい水滴が落ちてるのにも、気がつけなかった。



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