チューリップラブ





気持ちを言い当てられた時、決まって違うことを言う乃愛が健在だと昨日思った。今だってそうだ。自分の気持ちにぴったりのことを簡単に言われ、素直に頷くのではなくシャーベットを注文している。

人一倍自立心の強い乃愛。負けん気も強い。それでもすぐ

「ねぇ、玲央…」

と甘えたように聞いてくる。11年がなんだ?人生100年時代の11%だ。そんなものこの数時間で取り戻せると感じるほどの自然さで話して食べて笑っている。

「そのチューリップ1本であってるだろ?」
「…」
「少なくとも俺はそう思うが?」

そこへシャーベットが運ばれて来て、乃愛はふーっと息を吐いた。

「運命ね…人の力を超越した巡り合わせ…ねぇ、玲央」
「うん?」
「どうやってお店がわかったの?」
「そこ?」
「うん、そこ」
「シャーベット、一口くれたら教えてやる」
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