春色の恋−カナコ−[完]
でも、料理が得意な河合さんを知ることができてちょっとうれしい。

手際よく仕上がっていく料理を見ていて、そんな姿も素敵だとドキドキしていたのも事実で。

悔しいから、そのことは私だけの秘密だけど。

ほとんど河合さんが作った料理はとてもおいしくて。

今度家で練習して、おにいちゃんにも食べさせてあげよう。

食後に私がコーヒーを入れている間にあっという間に食器洗い機の中に入った食器たち。

後片付けも楽チンで、一緒にゆっくりコーヒーを飲みながら、付けたテレビを見ていた。

「新しい職場はどうですか?」

おにいちゃんと同じ職場に異動してきた河合さんだけど、実際おにいちゃんが仕事中の河合さんのことを話してくれたことは今までなかったので、ちょっと聞いてみたくて。

「同期だけど、コウヘイは一応上司だからなー」

仕事を頑張っているおにいちゃんは、どうやら河合さんよりも先に出世したらしくて、おにいちゃんの部署に河合さんが移動してきたんだという。

「だから、上司と部下でしょ、まあコウヘイなら許せるけど」

おにいちゃんを認めてくれている河合さんがうれしい。

思わず、横に座っている河合さんの腕にギュッとしがみついた。
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