兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「ごめん、遅くなった。」
少し洗い呼吸。
季節はもうすぐ冬だというのに、吐き出される息が白くなるくらい熱い体温。

かなり走って、急いで私のもとへ来てくれたのが分かる。

「こわか・・・・」
息が詰まって言葉が続かない私。

「ごめん。怖かったな。もう大丈夫だ。」
修平はそう言ってしりもちをついたままの私の体勢をグイっと引き戻してくれる。

「立てない・・・」
腰が抜けて立ち上がれない私は地面に座りこんだままだ。

「大丈夫。大丈夫。もう、大丈夫。」
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