兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
『じゃあな。元気で。』
どこまでも修平らしいメール。

私は返事をしようか迷って、やめた。
もう修平は前に進みだしている。
だからこそ、私も進みださないとならない。

今、病院にいる間は夢のような時間だ。
でも、退院したら私と蓮人は家族に戻る。
それが一番、誰も傷つけない一番いい方法なのだとお互いに知っている。

だからこそ、今だけは、この終わりが見えている時間を大切にしたい。

「優莉」
病室に戻ってきた蓮人の手にはオレンジジュース。
「こんな時間にジュースなんて、なんか悪いことしてるみたいだよな。」
そう言って笑う蓮人に私は精一杯の笑顔を返す。

こうして笑い合える日は、あとどのくらいかと思いながら。
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