あなたを愛しても良いですか。
翌日、展示会場に行くと、一人の女性が私に話し掛けて来た。
その女性はどうやらネットニュースなどの記者だと自分で言っている。
「あなたがYUTAのパートナーですよね。取材させてもらって良いかしら。」
「私は何もお答えできることはありませんので…困ります。」
すると、その女性は一枚の写真を私に見せたのだ。
その写真には、悠太が作品を作っている横で私がアシスタントとして、手伝いをしている写真だった。
日本では沢山のお弟子さんが居て、悠太を手伝ってくれていたけれど、ニューヨークでは誰もいないのだ。
私は出来る限り、悠太のアシスタントとして、作品作りを支えようと必死だった。
少しでも悠太の役に立ちたかったのだ。
「私はこの写真を撮る前から、あなたを見ていたの。誰よりも一生懸命にパートナーを陰で支える姿が素敵だったわ。」
「そ…そんな…困ります。」
「あなたのことは悪いけど調べたわ。あなた結婚しているのね。」
私は慌ててその場から去ろうとした時、その女性は大きな声を出して、私を引き留めた。
「私は純粋にあなたの味方をしたいのよ!結婚なんて法律上の肩書にすぎないから…それよりも、あなたがYUTAを懸命に支えている姿に惹かれたのよ。」
「…どうして。」
私が驚いて振り向くと、その女性はニコリと笑顔を見せたのだ。