恋とも云えない
日高を誘ったのは、私だった気がする。
恋をする気もないくせに寂しくてしょうがなかった。

この男ならば全てわかって、今だけ相手してくれるような気がした。そして、日高は

「俺、そんなに軽い男じゃないんだけどな


と言いながら、私と夜を共にした。

楽しかったから、これでいいとまでは言いきれないけど、一人では耐えられない夜もある。

日高の腕枕で眠る夜は、何故だかとてもよく眠れた。昔、愛犬と一緒に寝ていたことを思い出した。

今はしあわせでも、離れたら悲しくなる。寂しくて、自分の価値が信じられなくなる。こんな私が恋なんてできるのか。

しあわせになれるのか。


私、どうなりたいんだっけ。


日高と連絡先を交換したが、すぐに興味を失った。一人でホテルを出て、太陽を浴びる。すれ違う人々が、とても真っ当な人たちに見える。


私、何してんだろう。
どうしてこんな関係を持ってしまうんだろう。誰かをすきになりたいのに、裏切られるのが怖いなんて、どうかしてる。

どうかしている。
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