キミとオジサン
オジサンに拾われて1年が経った


「誕生日、おめでとう」


「わぁ!ケーキ!手作り?」


「そぉ!オレも頑張ってみた」


「嬉しい!」


「朱夏の喜ぶ顔見たくて
頑張っちゃうんだよね、オレ」


「お父さんが
娘に気に入られたい心境?」


「や…や、や、や…違うだろ!
彼氏が彼女をかわいいと思う心境だろ」


「大好きってこと?」


「そぉ…大好き」


「愛だね」


「うん…愛だよ」


「私も大好き♡」


「あ!」


「なに?急にビックリするじゃん」


「ローソク用意するの忘れた」


「いいよ
早く食べようよ!」


「あ、そーだ

朱夏、21歳おめでとう」


柊翔が右手で『2』左手で『1』って
指を立てた


「ありがとう」


「朱夏、フーってやって」


「うん…フー…」


柊翔の指を思いきり吹いた


ーーー


火が消える代わりに
柊翔がキスしてくれた


「柊翔
あの時拾ってくれて、ありがと
私、幸せだよ

これからも、捨てられないように頑張るね」


「知ってた?
逃げられないように
オレ、かなり必死なんだけど」


「逃げないよ
ずっとここにいたい」


ずっと…


「朱夏、それ以上かわいくなんなよ」


「なんで?」


「誰かに連れてかれたらヤダから」


「大丈夫だよ
来年は『2』『2』ってやってね」


「指が足りる限りやってやる」


「え、足の指も使ってね」


「つるわ!」


「オジサン!」


「キミね…オジサン言うな!」


ずっとここにいたい


私を愛してくれる

この人の隣


「柊翔がホントにオジサンになっても
一緒にいるからね!」


ーーーーー


「…心臓もたない…」


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