経理部の女王様が落ちた先には
7月




「ん~・・・っ、遅刻ちゃいます・・・」



「うん・・・俺も・・・」




毎日家を出る前の、長い長いキスの時間。




「・・・そんな最高に可愛い顔して、ちゃんと“女王様”になれる?」



「直人さんこそ・・・騎士みたいですよ?」



「なにそれ?もっと詳しく・・・」



「ん~・・・っっっ!!!」




今日もスーツ姿の2人が、玄関で長い時間過ごしてしまって・・・
やっと離してくれた直人さんが、玄関に置いている“私”の高級腕時計を手に取り、口付けをし・・・優しく私の手首につけてくれる。




そして、私の左手の薬指に光る結婚指輪にも口付けを・・・





「こっちは、俺の麻美っていう意味のな?」




「分かってます・・・。」





今度は私が、玄関に置いてある眼鏡を取り、直人さんにつける・・・
ネクタイも、ゆっくり、ゆっくりと・・・





「でも、結城支社長には・・・まだ意味ありますか?」




「俺のはもう、儀式みたいなもんだな。
あと・・・奥さんにやってもらうと最高な気分になる。」




2人で笑って、玄関の扉を開ける。
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