俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 兄の大学時代の同級生で奥さんの亜紀が、赤ちゃんを抱っこして入ってきた。

「亜紀」

「お母さんの悲鳴が聞こえて、剛が出ていったまま戻って来ないから、何かあったのかと思って心配したけど、芹ちゃんが帰って来たのね」

 芹を見たあと、亜紀は芹の横にいる暁を見て目を見開く。

「女の敵……」以前の暁を知っている亜紀も思わず声に出して言ってしまう。

「プッ、亜紀もそう思うよな」

「何がどうなってるの?しかも、新城くん、なんか雰囲気変わった?優しい表情が信じられないんだけど、もしかして新城くんじゃない??」

 亜紀の一言にみんなが爆笑する。一人不貞腐れる暁だけが、ここでは完全にアウェイだ。

 先程からの一連のやり取りを聞いた亜紀が更なる爆弾を落とす。

「あの時、新城くんを追いかけて無視されてた子達に今の姿見せたいわ」

「……」暁は返す言葉もない。

「亜紀ちゃん、私も昔の姿ちょっと見たかったかも」

 芹の一言に「もう勘弁してくれ」と暁が漏らした。

 そこで、成宮家からは爆笑が起こる。

 後は、今後の暁次第……。

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