俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「他に何か明日に回せないものはあるのか?」

「いや」

「じゃあ」期待に満ちた目を向けられた。

「どうぞ」

「やったー」

「……」

 次の瞬間、もう扉を開けいなくなっていた。駿は慌てて運転手に連絡を入れる。

 長い付き合いだが、こんな無邪気な姿は初めて見る。完璧に何でも熟すが、今までは気を許せる相手が駿だけだった。

 暁にとって寛げるパートナーがいればと何度思ったことか。ただどこかで、暁自身を理解してくれる女性は現れないと諦めていた。それは、暁の両親もだろう。
 
「やれやれ……」

 社長室には残された駿の、呆れと安堵の呟きが漏れていた……。
< 199 / 253 >

この作品をシェア

pagetop