星と月のセレナーデ
『 鞄取り返そう 』
「 これだろ? 」
上からぶら下がってる私の鞄
キーホルダーのうさぎとバチッと目が合う
『 そうそうこれこ...れッ 』
「 確保 」
真上にある鞄を取り返そうと両腕をあげた途端
鞄なおのこと上に上げられて
何故か私が界人にぎゅっと抱きつく体制になった
「 お前なぁ...。 」
『 ごめんなさーい 』
頭を少し小突かれてふて腐れたように謝れば
ほっぺをぷにっと抓られる
『 イッ...イタイデス 』
靴に履き替えた彼と校門へ向かえば
見慣れない車が止まっていて
普通にその車へと私を押し入れて乗り込む
展開の早さについていけないまま
車は発進した。