咲き誇れ、麗しい華。

特訓とハグ

「はぁ……」



金曜日の夕方。西日に照らされた通学路を重い足取りで歩く。

午後の授業で競技の練習を。放課後は演舞の練習と、明日の予行日に向けての準備を行った。



「やだなぁ……」



溜め息と共に本音がポロリとこぼれる。


あやふやで不安定だった演舞は、なんとか踊れるようにはなった。


のだけど、連日の厳しい指導で身も心も疲れ果ててしまって、自信ゼロ。

もう体育祭どころか、学校に行きたくないとまで思ってしまっている。


雨が降って中止になってくれないかなぁ……。


まぁ、明日も明後日も晴れの予報だし。

仮に中止になっても延期されるだろうから、よっぽどのことが起きない限り避けられないんだけれど。


横断歩道のボタンを押して信号が変わるのを待つ。



「麗華ちゃーんっ!」



名前を呼ぶ声が聞こえて振り向いたら、手を振る怜央先輩の姿が。すぐ後ろにはユウキ先輩もいる。



「お疲れ様!」

「お疲れ様ですっ」
< 69 / 263 >

この作品をシェア

pagetop