こころが揺れるの、とめられない


わたしは、気づいたら駆け出していたんだ。


……大切な友達と、好きな人が同じだった。

いつも三人、一緒にいたはずなのに。
わたしは可奈ちゃんの気持ちに、まったく気づけなかった。



ふたりが隣に並ぶと、しっくりする。

すごくお似合いだった。



固めたはずの決意が、驚きとショックで跡形もなく溶けて、消えてしまって。


わたしは、——綾人の返事を聞かずにその場を逃げ出してしまったことを、今更ながら、思い出した。


< 143 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop