こころが揺れるの、とめられない


「どうしたのかな」

「……さあ」


わたしの問いかけに、さやちんは再び、首をひねった。


「ていうか、みくるも、三澄に興味あったっけ?」

「……え。……えと」


どう答えるか迷っていると、


「——わっ」


三澄くんが、こちらを見た気がして。

わたしはさやちんの腕を思い切り引っ張り、階段の方へ方向転換をした。


ギリギリ、目は合っていない。


「なに、どうしたの」

「ううん、ちょっと……」


わたしは後ろ髪引かれる思いを振り切って、さやちんに腕を絡ませる。

気を取り直して、ふたりで階段へと歩き出した。


「……ちょっと、気になっただけ」

< 17 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop