こころが揺れるの、とめられない
「……っ」
屋上。澄み切った秋空の下、ひとり。
ここに来るまでに堪えていた涙は、……とうとう、力なくこぼれてしまった。
——ツイてない。
右手に持つ紙袋に視線を落とし、へたりとその場に座り込む。
渡す相手を失ってしまったそれは、今のわたしにはずしりと重たい。
こんなもの、用意するんじゃなかった。
決心なんて、するんじゃなかった。
期待なんて、するんじゃなかった。
「……好きに、なるんじゃなかった……っ」