こころが揺れるの、とめられない
——美術部所属の、三澄 新くん。
本人は、わたしが名前を知っていることにびっくりしていたようだったけれど……。
この学校で知らない人のほうが、少ないと思う。
だって、その名前も、その姿も。
体育館で耳にして、壇上で、目にしたことがあるのだから。
とっても絵が上手で、コンテストでの入賞経験は複数回。
その度に表彰されている三澄くんの背中は、全校集会を半分うわの空で過ごしているわたしでも、目に焼きついているほどだ。
美術部エースという肩書きは、まさに彼にぴったりで。
きわめつけは、……芸術に長けている彼自身が、とてもとても、きれいだということ。
すうっと、目を惹かれてしまう。
思わず見ていたくなってしまう。
そんな雰囲気を、纏ってる。