こころが揺れるの、とめられない
『自分以外の人間には一切興味ありませーん。て、感じじゃない?』
……さやちん。
どうやら、その通りみたいだよ。
脱力したわたしは、へなへなとその場に膝をついた。
三澄くんにとっては……わたしの失恋で傷ついた気持ちなんて、ただの利用できる道具でしか、ないらしい。
昨日、ハンカチを差し出してくれたときは、優しいな、って思ったのに……。
きっと、わたしに頼むことにしたのも、……断れないっていう確信があったからで。
鬼とまでは、いかなくとも、——三澄くんは、ちょっぴり意地が悪いみたいだ。
『上村さんがいい』
あんなこと言われて、舞い上がっちゃったわたし、バカみたい。
特別だって言われたみたいで、ドキドキなんてして、バカみたい。
……そんなこと、あり得ないのに。
熱くておかしくなりそうだった体が、落ち着きを取り戻し、すう、と冷めていく。
……とにかく。
どうやらわたしは、三澄くんの頼みを受け入れて、放課後はここへやってこないといけないようだ。
さもないと、わたしの醜態が学校中に知れ渡ってしまう。
だけど、今日は部活もあるし……。
どちらの選択も気分をどんよりとさせるもので、つい、はああ、と大きなため息が落ちる。
そんなわたしに追い打ちをかけるように、――休み時間の終了を告げるチャイムが、校内に大きく響き渡った。