こころが揺れるの、とめられない
「上村さんの目、きらきらしてる」
「……」
頭に触れていた三澄くんの手に微かに力が加えられて、わたしを引き寄せる。
されるがまま、クリーム色のカーディガンに、視界を奪われた。
「うらやましい」
抱き寄せられるような形で、落とされた小さな呟き。
その意味を問う気分にもなれず、まるで宥めるように触れられる感触に身を委ねながら、……わたしは、静かに目を閉じた。
温もりに包まれている中、耳の後ろのところで、自分の鼓動が響いている。
傷ついてじくじくと痛んでいたはずのこころが、別の痛みに、揺れている。
昨日、わたしの制服を濡らした、わたしの涙。
それが今日は……三澄くんのカーディガンを、しっとりと濡らしていった。