何度だってキミに、好きを届けたくて。
「では、伊織 乃亜さんに作文を発表してもらいます」



そう言って校長先生は私にマイクを渡し、ステージから降りていった。


うん、大丈夫。

作文を発表するって決めた日から、私は残っていた原稿用紙に自分の思いをつづった。

自分の気持ちを文章に起こしたものだから、原稿用紙を見なくても言葉にできる。


私は二つ折りにした作文を左手に持ったまま、右手に持ったマイクを口の前まで持ってくる。

……今から、自分の想いを届けるんだ。



「私の大切な人。……伊織 乃亜」



ねえ、春佳くん。

聞こえていますか?

今日も春佳くんは学校に来なかった。

きっと、病院のベッドの上で体を休めているんだよね。

そんな春佳くんに気持ちを届けたくて、私は想いを言葉にしているよ。
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