何度だってキミに、好きを届けたくて。
ぽつん、と独りぼっちの私。

ときおり『伊織さんサボり?』なんて声が女の子たちから聞えた。

私は膝を抱えて、縮こまるしかできなかった。


本当に臆病で弱虫な私……。

それに引き換え、男子たちは楽しそうだなー……。


みんなまとまりがあって、体育館の奥側で試合を始めている。

その中心には春佳くんがいた。

春佳くんの明るさが体育館の端から端まで伝わってくる。

みんなを自然とまとめて引っ張る力が彼にはある。


そんな彼に私は救われたんだよね……。

春佳くんに恋したあの日を思い出す。
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