何度だってキミに、好きを届けたくて。
「春佳くんっ、」



涙がこぼれた。


春佳くんだ。

春佳くんが、目の前にいる。

私の知っている春佳くんだ……。


涙が春佳くんの着ている服にシミをつける。

私はそんなことをおかまいなしに泣いた。


ぽんっ。

頭に大きな手が乗る。

涙でぐちゃぐちゃの顔をあげれば、涙を浮かべながら微笑む春佳くん顔があった。



「乃亜。おいで」

春佳くんは私の背中に手をまわし、涙する私を支えながら病室の中へ連れていってくれた。


私をベッドに座らせる春佳くん。

春佳くんは私の目の前にしゃがむ。

私の顔を覗き込む春佳くんの顔は、涙でぼやけて見えた。



「乃亜に話さなくちゃいけないことがある」

「うん……」



それから春佳くんは、そっと私の手を握った。

ぎゅっと2人の手が繋がる。


春佳くんが話してくれたことは、自らの病気のことだった。

私は春佳くんの話を静かに聞いた。

今の私なら、春佳くんを受け入れられると思ったから……。
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