何度だってキミに、好きを届けたくて。
私は自分の席に座ったまま動けず、じっとしていた。

膝の上に置いている手に汗がにじむ。


ドキドキして、ソワソワして。

じっとしていたいのに、じっとしていられなくて。

無駄に前髪を整えてみたり、深呼吸をしてみたり。

そして、なんて伝えようかずっと考えていた。


好きです。

好きなの。

好き……。

……付き合ってください。


どうしよう。

告白なんて人生で初めてするから、なんて言えばいいのか分からない。

好きになった理由とか、好きなところとか伝えるべきなのかな。


……分からない。

振られるかもって思ったら怖いけど、まずはこの気持ちをしっかり伝えたいから……。


告白、後悔しないように頑張ろう。


黒板の上にかかっている時計を見れば、午後5時55分。

窓の外にはオレンジ色の空が広がっている。

空に浮かぶ雲もオレンジ色に染まっていた。
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