夜明けの天使たち
サヨナラ、初めて愛した人
「アキラさん!遅いからどうしたかと思ったよ…」

私が部屋に着くと、レイくんが玄関に飛んできた。

「ごめんね。今夜は何にしようかと迷ってたら、遅くなっちゃった」

そんな、見え透いた嘘をついた。

「大丈夫?」

心配そうに、レイくんが私を見つめる。

この天使のような瞳も、もうじき見納めなのか。

「大丈夫だってば、もう。レイくんったら心配性だなぁ」

はじめて誰かに心配されたことが、泣きたくなるほど嬉しかったくせに。
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