お邪魔虫にハッピーエンドを


 少しずつ景が元気になっていって、学校でも普通に笑うようになった頃。

 私は家族の仕事の関係で、アメリカに引っ越さないといけなくなった。


 いつ戻れるのかもわからない。
 でも、中学生だった私にはついて行く以外の選択がなくて、中学二年の夏休み前に日本を離れることになった。


 アメリカに行く前、私は景に告白するつもりでいた。
 せめて自分の気持ちを伝えてから日本を出たかったから。


『ねえ、見て。桜葉くんと、二組の佐藤さん。めっちゃお似合いじゃない?』

 いつ景に話そう。
 教室にいても頭ではそんなことばかりを考えていたとき、廊下で聞こえた話し声に私は現実を思い知る。

『付き合ったりしないのかなぁ。やっぱりイケメンの隣は、あれぐらいカワイイ子じゃないと釣り合わないよねー』
『そうそう、むしろ微妙な子が並んでたら納得いかないわ』

 ……お似合い、釣り合わない。

 佐藤さんという子は、確かに可愛かった。

 性格も明るくて、色白で、髪がふわふわで、細くて。
 誰がどう見ても納得するほど、景の隣に立っても不自然じゃなかった。

 でも、私は……?

 髪も、顔も、体型も。
 何ひとつ、私は自信がない。

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