真っ赤ないちごくんの可愛い溺愛


 かぷりと。


 唇を食べられて、軽く甘噛みされる。


 新しいキスに驚いていると、開いた口に舌が入り込んできた。


 あ、これ、知ってる……。


 ただくっ付けるだけじゃない。大人のキス。


 なんていうか、その、すごく。


 一悟くんが我慢してないって感じがして、嬉しい……。


「ふ、ぁ……っ」

「は、……っごめん、びっくりしたよね。
――でも、もっとする」

「んっ、ん……っ」
 
「あは、かわい……すき」


 そう笑う一悟くんの首には、一筋の汗。


 わたしも前髪が額に貼り付いて、不細工になっているかも。


 夏、窓の開けてない部屋、人同士の密着となれば、それは自然なことだった。


「一悟くん、ま、窓開けよっか」

「だめ。羽入さんの可愛い声が外に漏れちゃう」

「えと、じゃあ扇風機」

「可愛い声が聞きにくくなっちゃう」

「え、え~」


 でも熱中症になるかもしれないし……。


 水分を取ることは確定として、他に何かできるとしたら……。


 あっ。


「シャワー使う?」

「窓開けて扇風機付けよう」


 ……そこの理性は残ってるんだ。


「ていうか、そろそろ勉強始めよう……」


 冷静にもさせちゃった。


 うう、言わなきゃよかった。


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