貴方になりたい
しかし、大好きな聖光にそんな我儘が言える訳無く物分りの良い自分を演じた。


〈うん♡分かった♡〉


今すぐ会いたいとメッセージを打ちたいけど、そんな事をして嫌われたら私の人生はジ・エンドだ。


待って、待って、1週間が過ぎた。


この日は職場で嫌な事が会って、どうしても誰かを頼りたい。そんな心境の中で真っ先に思い出したのは聖光の顔。


気が付けば、聖光に送るメッセージを製作している自分が居た。


会えない間、聖光の事をずっとずっと考えていた。


綺麗な聖光の顔。
程良い肉付きの身体。
聖光が聴いていた音楽。
ほのかに香ったコロンの香り。


「会いたいよお……」


気が付いたら涙が止まらずに、聖光に製作したメッセージを送っていた。


〈物凄く会いたい。
あれから、メッセージすら来ないし寂しいよ……〉


こんなメッセージを送ってしまった事を少しだけ後悔したが、止まらない。


しかし、そのメッセージに既読が付く事は無く、寂しい気持ちだけが増していく。


そんな中思い出したのは、聖光と愛し合ったマンションで、気合いを入れて身支度をすると電車に乗り込んだ。


引かれるかも知れない。


でも、止まらない__
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