貴方になりたい
その日の夕方聖光は家の前まで迎えにきてくれた。


聖光の香りとコロンの香りに包まれなんとも言えない気分になる。


聖光に会うまでは、赤ちゃんの話をする気満々だったのに怖気付いてしまう。

それでも、言わなきいけない。


ゴクリと唾を飲まこみ口を開いた。


「聖光は子供好き!?」
「うん。子供がいるから嫁と別れられないんだ」


それなら、私に任してよ。ダーリン。


「実はね、私子供が出来たの」
「うれしいけど、養う自信無いから下ろそう」


降ろすだなんて、口にさられるとは思ってなくて頭の中が真っ白だ。


「私、聖光の子供産みたいよ」


だって、聖光の奥さんには可愛らしい子供がいる。

なのに、何で私は許されないの?


「今は、早すぎる」
「やだよ!」
「俺も金銭的余裕が無いんだよ!」



普段声を荒げることの無い聖光の声に怒りを変わんじた。


「分かった……」
「ありがとう」


そう言って向かった場所は、またホテルでガッカリしてしまう。

それでも、聖光と居られるだけで満足だった。


妊娠しているのに、性行為をしたらすぐさま眠ってしまった聖光。

でも、好きだから許せた。
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