鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 エリオットの言葉に、シュエットはキョトンと目を瞬かせた。

 シュエットとエリオットは頭ひとつ分くらい身長差があって、猫背でも彼は上から見下ろしているというのに、なぜだか上目遣いで懇願されているような気になる。

 なんてかわいい要求だろう。

 いい歳した青年が言う言葉ではないが、その顔があまりに整いすぎているせいで補正がかかっているらしい。

 シュエットの頭は、ネジが飛んでしまったかのように、かわいいとしか認識できなかった。

「ねぇねぇ、ママ。あのお兄ちゃんとお姉ちゃん、どうして道の真ん中で立ち止まっているの? 道の真ん中で立ち止まったら危ないって、知らないのかなぁ?」

「シッ! 見ちゃいけません!」

 バカップルに向けられるお決まりのセリフを聞いて、シュエットはハッと我に返った。
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