鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「あら?」

 綺麗に整った箱を持って戻ると、カウンターの近くにいたはずのコルモロンがいなくなっていた。

「どこへ行ったのかしら……?」

 そう広くない店内をシュエットが見回すと、レディ・エルの甘えるような鳴き声が聞こえてくる。

 箱をカウンターへ置いて急ぎ足で声のする方へ向かうと、コルモロンとレディ・エルはとあるフクロウの前にいた。真っ白な大型のフクロウ、シロフクロウの前に。

 レディ・エルはしきりに、シロフクロウに向かって鳴いていた。

 甘えるような鳴き声に、コルモロンがムッとしている。
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