鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
六章

1

 エリオットに──いや、公爵様に別れを告げてから数日が過ぎた。

 彼が提案してくれたフクロウカフェは、今のところ順調である。

 ようやく決心がついたコルモロンはシロフクロウを家族に迎え、さらにはフクロウカフェで知り合った女性と意気投合し、結婚を前提にお付き合いを始めたのだとか。

 なぜかその話が一人歩きをして、「フクロウカフェへ行くとすてきな出会いに恵まれる。

 フクロウが福をもたらしてくれる」なんてうわさが広まりつつあるが、やっぱりカナールが発信源だろう。

 カナールを注意するべきなのか、それとも褒めるべきなのか。悩ましいところである。

「ふぅ」

 本日何度目かもしれないため息を吐いて、フクロウカフェのドアにかかったプレートをひっくり返す。

 お客様をもてなしてくれたフクロウたちにねぎらいの言葉をかけながら、シュエットは一羽一羽大切に一階の店舗へ帰した。
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