鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 落ちてしまう。と思う前に、シュエットの体が傾ぐ。手すりにもたれた体はそのまま停止するかと思いきや、ズルリと頭から重力に従って落ちてきた。

 エリオットはとっさに風の魔術を発動させると、シュエットの体を浮かせる。

 ふわふわと空から落ちてくるように下ろした彼女を、エリオットは大事そうに抱えた。

 気絶しているのか、シュエットは苦悶の表情を浮かべてまぶたを下ろしたまま。

 それでも、こんな間近で彼女を見たのは初めてのことで、エリオットはついまじまじと見入ってしまったのだった。
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