禁じられた恋はその胸にあふれだす
頭が真っ白になった。

「悠真は、私の夫です!」

身体中に、激震が走った。


「俺、結婚していたんだ。」

悠真君も突然の事で、戸惑っている。

「そうよ!何で忘れるのよ!」

栞さんは、悠真君の事を何回も叩いた。

「落ち着いて下さい、栞さん。」

私は彼女を止めた。

「事故に遭う前の記憶がないんです。許してあげて下さい。」

そう言うしかなかった。

栞さんも、身体を震わせている。


「とにかく、悠真は連れて帰ります。」

栞さんは、悠真君の腕を掴んだ。

「待って。」

それを悠真君は止めた。

「えっ、もう帰らなきゃダメ?」
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