カフェオレ色のアナグ・・・ラ[ブ=]無 ─ Anagram ─

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 ワタシの新たな未来がスタートした。

 輝かしいキャンパス・ライフ。

 友達も沢山出来たし、一応カレシと呼べる対象もいたりする。

 講義も変わらず未知の言葉にワクワクするし、余暇にはボランティア活動やアルバイトなんかもした。

 いつになく充実した学生生活。

 なのにワタシの中の片隅には、いつもポッカリ小さな空間が存在した。

 何もない、まるで真空のようなガランドウのスペース──今まで其処だけが埋まっていた筈の……ハクアくんという名の居場所。

 ハクアくんの最後の言葉が気になって、ワタシはアパート到着早々電話をした。ラインもした。

 でも応答はなく、留守電にもならず……そして既読にもならなかった。

 一ヶ月後の帰省の際には、いの一番にご自宅を訪ねたけれど、案の定不在だった。

 図書館で他の司書さんに尋ねると……先月末に退職した、と。

 行き先は分からないけれど、四年ほど海外に滞在するつもりだと言っていたらしい。

 四年──最後の言葉と合致する期間。

 今思えばあの小旅行は、この長期滞在の下調べだったのかも知れない。

 となれば……ハクアくんがあれから一年ワタシに付き合ってくれたのは、もしかしたら自分の計画を延期してくれていたのかも知れない……なんて、連絡もくれないそっけない部分は見ないことにして、良い方向へ考えることで自分の精神状態を維持することに努めた。


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