観測の牢獄
(13)
「私は、何をすればいいんですか?」
胸の動悸を抑えながら、私は口にする。
このヒト、近宮先輩を受け入れ始めている自分に自分自身が一番驚く。
「お、興味が沸いてきたようだね」
「完璧な自殺っていうのには興味があります。
でも、契約っていうからには、私も何か差し出さなきゃならないんですよね?」
「何、簡単なことだ」
そこで、近宮先輩は優美な動作で髪を耳にかけると、クイっと、グラスで何かを飲み込むようなジェスチャーをしてみせた。
胸の動悸を抑えながら、私は口にする。
このヒト、近宮先輩を受け入れ始めている自分に自分自身が一番驚く。
「お、興味が沸いてきたようだね」
「完璧な自殺っていうのには興味があります。
でも、契約っていうからには、私も何か差し出さなきゃならないんですよね?」
「何、簡単なことだ」
そこで、近宮先輩は優美な動作で髪を耳にかけると、クイっと、グラスで何かを飲み込むようなジェスチャーをしてみせた。