観測の牢獄

(8)

「まあ、関係というか、縁かな。君がここで大量の薬を飲んで眠っていたのを発見して救急車を呼んだのは私だ」

「よけいなことを……」

「よけいなことでも、君のためだからな。君の行為は、愚かだったのだから」

 だから、その口が、美人で、頭が良くて、何の悩みも無いあなたのような人が、私の覚悟の自決を愚弄するのかと、私はカっと頭に血が上った。
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