溺愛の形・わがままな純愛・後日談（エピローグとプロローグ）

ユリアが、ケイレブを信用しているのを、
フェンネル公は、感じ取ったのか
反対することなく、その気力も
ないのか、うなずくだけだった。

その状況を見て、
ケイレブは、すぐに隣国の療養できる病院を手配して、
フェンネル公を入院させた。

次は自分の両親、アーカイブ夫妻の承認だ。

前もって、婚約を前提に共同経営をすると、話を通しておいたので問題はなかった。

ケイレブの両親は、跡継ぎの一人息子が、流れ者のような生活を
するのを、心配していた。

しかも
ユリア・フェンネルが美しく、
姉がグランバート公の妻であること、
それだけでなく、学校経営をしているのに驚いていた。

ここまでは、ケイレブの想定内
であり、チョロイものであった。

この先が、問題なのだ。

「ああ、すごくかわいい！！」

ケイレブは、ヘーゼルの瞳を
細めて、ついでに鼻の下を
長く伸ばしていた。

ユリアが、馬車から降りて来た
姿をみて、満足げにうなずいた。