溺愛の形・わがままな純愛・後日談(エピローグとプロローグ)
「どこかで?・・
お会いしたことがありますか?」

サリナス殿下が聞くと、
間髪入れず、ケイレブが答えた。

「彼女の姉ちゃんが、おまえんとこの従兄弟、グランバート公爵に嫁いでいる。」

「ああ、グランバートの奥方に似ているのか・・
あの方も美しいので有名だが」

サリナス殿下は、
納得したようにうなずいた。

ケイレブは胸を張って、威嚇するように、

「だから、俺がユリアちゃんと
結婚したら、お前とは遠縁の関係だ」

「ふーーむ」

サリナス殿下は眉をひそめて、
おおげさに、ため息をついた。

「フェンネル嬢、
あなたはこの男の口のうまさ、
女性関係の黒歴史を、ご存知ですか?」

ケイレブは、眉をひん曲げた。

サリナス殿下は、ケイレブの顔を見て、楽しそうに

「この男と付き合うのは、やめたほうがいい。
あなたが泣く事になる」
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