魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)

初めてのキス

「いいかね。覚えておきなさい。
キスは、記念にするのもではない。

お互いの愛を、確認するために
するものなのだよ。
言葉ではなくてね、
感じるために」

「だから、こうするんだ・・」

サリナスは低く、つぶやくように言って、開いている片手で、
レリアの腕をつかんで、引き寄せた。

レリアのスカイブルーの瞳が、
どこまでも広がる、空の青さの
ように映る。

「目を閉じて・・感じるんだ」

催眠術にかかったように
レリアが目を閉じた時、
サリナスは、そっと唇を重ねた。

始めは緊張していたのが、
伝わったが・・・

サリナスはもう一度、角度を変えて、舌を滑り込ませた。

リキュールの香りと共に、
陶酔するような、浮遊するような感覚。

唇が離れて・・・
レリアはまだ、目を閉じている。

顔は相当に赤いが・・・
キスの余韻に、酔っているのか・・・
< 30 / 53 >

この作品をシェア

pagetop