魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)

滑落事故

<滑落事件の勃発>

「ゆっくり降りないと、危険だ」
サリナスは、自分に言い聞かす
ように、言葉に出した。

レリアは、ひょいひょいと、
慣れた道を歩くように
岩場を、跳ぶように降りていく。

すぐ下は崖なのに・・・

落ちたら、命の保証はない。

ガラッ・・・

サリナスの頭上の小石が、落ちて来た。
避けようと、体をひねった瞬間
だった。

ズズズズズズズ・・

足元の石が崩れ落ち、
それと共に

「うわぁあああーーー」

サリナスの体は、引きずられるように、下に落ちていく。

崖中央の少し平らな場所で、
サリナスの体が止まった。

「サリィ!!!サリィ!!」
上の方で、
レリアの泣き叫ぶ声が、聞こえる。

サリナスは、手をあげようとしたが、激痛で声が出ない。

足もどちらか、折ったかもしれない。

「ケイレブ・・を・・呼べ」
かろうじて声が出た。

「すぐに助けるから・・・!
絶対!!」

レリアが叫んで、
ぴぃーーーーー
指笛らしき音が響いた。

サリナスの意識は、
もうろうとしてくるなか・・

天国への扉を開けるには、
まだ早いだろう・・・・・
そう感じていた。
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