魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)

小鳥のお見舞い

<小鳥の面会>

次の日
「よぉ、具合はどうかな?」

ケイレブが、サリナスの寝室に、
勢いよく入って来た。

サリナスは、枕を積み上げて、
上半身を起こして、本を読んでいた。
「ああ、もう大丈夫だ。
明日からは、執務もしなくては」

ケイレブの後ろから、ユリアが
入って来た。
その片手には、鳥かごを下げている。
「殿下、お見舞い申し上げます」

「ユリアちゃん、心配をかけてしまったな」
ユリアは深々と、お辞儀をした。

ピピピ

鳥かごの小鳥も、挨拶するように、さえずっている。

「その鳥は?」

「部屋の中に入ってしまったのを、捕まえたんだ。
これから王宮の尖塔で、
放してやろうと思ってね」

小鳥が、羽をばたばたさせて、
暴れている。

「こらこら、おとなしくしろよ。
すぐに放してやるから」
ケイレブが、かごを覗き込んだ。

「サリナス、君も見てみるか?」

ケイレブは、ユリアから鳥かごを受け取ると、ベッド脇のテーブルに置いた。

小鳥は、おとなしく止まり木に
とまっている。

頭のてっぺんが少し茶色で、
羽はきれいなブルーだ。
サリナスを見て、
小首をかしげるような動作をした。
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