ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 彼の手が私のおなかに伸びる。

 すりすりと頬を寄せて「幸せだな」と慎一郎さんが言った。

 唇が降りてきて重なり合う。

 私も言わなきゃいけないと思った。

 ゆっくりと離れていく彼の頬に手を寄せて、「愛してる」と告げた。

「私の初恋で、初めての人で」

 そして、なによりも。

「慎一郎さんは、生涯でたったひとりの恋しい人です」

「ようやく言ったな」

 彼はうれしそうに、何度も何度も私にキスをした。


< 192 / 273 >

この作品をシェア

pagetop