美しすぎる令嬢は盲目の彼を一途に想う
私の周りに集まる男性は皆、私の容姿に惹かれてやってくる。
私の内面なんて誰も見ようとしない。目に見える姿だけで勝手に惚れて、勝手に幻滅していくの。
ふいに、ロバート殿下に言われた言葉が脳裏に過ぎった。
『なんで君は笑わないんだ?』
笑えないわよ。だって好きでもない人と婚約だなんて、笑えるはずがないじゃない。
それでも時々、無理して笑ってみせたけど、彼は喜ばなかった。期待外れだと言いたげな顔で私に言ったの。
『君の笑顔は不自然だな。やっぱり極力、笑わないでくれ』
あなたが笑えと言ったのに、勝手な事を言うのね。いくら好きじゃない人から言われた言葉でも、私だって傷付くのよ?
その事を思い出して、私は両手をグッと握りしめた。
悔しかった。みんなが口を揃えて『美しい』と言う、この顔が嫌いだった。
いっそのこと、傷を付けて醜くしてしまおうかとも思った。
だけどそれは出来なかった。
この美しい仮面を失った私は、本当に何の取り柄もなくなってしまうんじゃないかって。
それはまるで呪いの仮面のように――私を苦しめるくせに、それを自ら取り外す事は出来なかった。
私の内面なんて誰も見ようとしない。目に見える姿だけで勝手に惚れて、勝手に幻滅していくの。
ふいに、ロバート殿下に言われた言葉が脳裏に過ぎった。
『なんで君は笑わないんだ?』
笑えないわよ。だって好きでもない人と婚約だなんて、笑えるはずがないじゃない。
それでも時々、無理して笑ってみせたけど、彼は喜ばなかった。期待外れだと言いたげな顔で私に言ったの。
『君の笑顔は不自然だな。やっぱり極力、笑わないでくれ』
あなたが笑えと言ったのに、勝手な事を言うのね。いくら好きじゃない人から言われた言葉でも、私だって傷付くのよ?
その事を思い出して、私は両手をグッと握りしめた。
悔しかった。みんなが口を揃えて『美しい』と言う、この顔が嫌いだった。
いっそのこと、傷を付けて醜くしてしまおうかとも思った。
だけどそれは出来なかった。
この美しい仮面を失った私は、本当に何の取り柄もなくなってしまうんじゃないかって。
それはまるで呪いの仮面のように――私を苦しめるくせに、それを自ら取り外す事は出来なかった。