10年目の純愛
結婚2年目

彼女の存在

「千夏、この服どうかな?」
裕太は私を振り返った。

家ではジャージ。出かけるときは適当なTシャツとジーンズという、おしゃれには無頓着な夫が珍しく服装に気を使っている。
大学時代の友人と久しぶりに会うからと気合が入っているようだった。

「うん。爽やかでかっこいいよ」
そう言うと、裕太は嬉しそうだ。

「今晩は遅くなると思うから先に寝てて」
「うん」
「行ってきます」
大きくなったお腹を摩って、裕太は出かけて行った。

「ふう。ではお掃除しようねー」
来週には臨月にはいる大きくなったお腹を摩りながらソファから立ち上がった。



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