彼の指定席


その笑顔は、彼をますますかっこよく見せた。


すらりとした長身。

染めていない髪の毛は、少しだけ長め。

切れ長の細い目。

涼しげな表情。



『すっきり、さっぱり』

彼を最初に見たとき、そんなキーワードが頭に浮かんだ。



彼はいつものカウンター席に座り、あたしが差し出したメニューブックをとりあえず開く。


あたしはお冷を出しながら、


「お決まりですか?」


そう聞く。


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