若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
私は今、窮地に立たされている…。

3人の男性が、私の目の前に立っており、我の手を取れと言わんばかりに手を差し出し、今か今かと私の答えを待っている。
いや、ひとくくりに3人の男性といっても、目の前にいるのは、若者と中年と老人である。私はこの3人から求婚されており、この中から1人選ばなければならない。



遡ること10日前、私は村にある小さな教会の1室で、帳面とにらみ合っていた。教会の資金繰りは芳しくなく、どんなに節約してもあと1カ月で、教会は立ちゆかなくなってしまう。このままでは教会で面倒を見ている8人の孤児達も路頭に迷ってしまうだろう…。

「マリー、どう?何とかなりそう?」

と言って、同じ教会の手伝いをしている2つ年上のリリアンが洗濯済みの服が入った大きな籠を抱えて部屋に入ってきた。

私はパタリと帳面を閉じると、

「このまま寄付がないとあと1カ月持つかどうか…かなり厳しいです。」

と答えた。

リリアンは、洗濯籠をドンと、テーブルの上に置くと籠に手を入れ手慣れた手つきで洗濯物を畳みながら、

「やっぱり厳しいか…。さっき掲示板を見てきたけど、お見合いの募集ばかりで、物々交換も大したことないし、寄付も最近全くないしね…。お金持ちにどーんと寄付してもらう方法でもあればねぇ。」

と、苦笑いしながら、言った。

それを聞いた瞬間、私は閃いた!

私は椅子から立ち上がると同時にテーブルを両手で叩き、リリアンに向かって力強く言った。

「あります!どーんと寄付してもらう方法!」

リリアンは、目を丸くして驚いていた。



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