Love Sweet December甘い甘い12月の恋
拓斗はいきなり手を離し
『俺、朝練ちょっとだけ顔出すから』と言って
走り去った。


ふぅ……やっと行ったぁ…。


心臓に悪いよ…


「ねぇ?やっぱり拓斗はみぃのこと…
好きなんじゃないの?」


ん?もしかして…
手繋いでたこと──バレた?


「そんなことないよ…
拓斗は誰にでも優しいんだよ…」


「もう告っちゃいなって!!」


この間から…そればかり。


フラれた時の事も考えてほしいなぁ…


「うん…がんばるよ!」


冬美の前だけは元気に振舞って
学校へと急いだ。


本当は告れる勇気なんてこれっぽっちもない…

拓斗が何か言ってくれるのを待ってるしかできない自分が嫌い…


こんな自分にサヨナラしたいのに…


もうすぐ12月だしなぁ…


がんばらなきゃなぁ…
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