あたしのだから!
「なな、なんか彼氏に不満でもあるの…?」

…孝文だ。

「あ、孝文。
ほら、加古さんの彼氏」

あたしは話を逸らす。

「お~、かっこいいな~!」

「でしょ?」

「なんでななが得意げなんだよ…」

孝文があきれている。

「普通科って顔面偏差値高いからね」

「悪かったね、看護科で」

「…中沢(なかざわ)君、かっこいいと思うけどね」

かっこいいと言われて、孝文は嬉しそうだ。

「加古さん、ありがとう!
なな、かっこいいって全然言ってくれなくて…」

だって、かっこいいと思わないんだもん。

…なんて、言えるわけない。

それにしても、ほんとに加古さんの彼氏、かっこいいな…。

ちょっと羨ましいかも。
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