あたしのだから!
「椿季には関係ないでしょ!?」

椿季は何も悪くないのに…。

あたしが悪いのに、あたしのあまりの剣幕に、

「ごめん、なな」

椿季は謝ってくれた。

「…大丈夫。
今日はもう帰るね」

結局、あたしからは謝れなかった。


しばらくして、

「なな、俺、岩手に行こうと思うんだ」

相変わらず、貴文に会っていた時、あたしは貴文にそう言われた。

どうやら、好きな人が出来て、その人が岩手県の人らしい。

「…じゃあ、貴文とはもう会えないね」

あたしの言葉に、

「え、なんで?」

貴文は不思議そうな顔をしている。
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