あたしのだから!
「いたら苦労しないよ」

「…わたし、貴文君はななと結婚するんだと思ってた」

「貴文なら好き勝手やってるよ~。
貴文と未だにセフレだし」

「え!?」

驚いた顔で、椿季はあたしを見る。

「セフレやめなって言ったよね…?」

あ~。
余計な事、言っちゃった。

「今は大丈夫かもだけど、なな、結婚したらセフレはやめなね?」

「うん、それは大丈夫。
貴文を見て思ったんだぁ。
あたしは結婚相手を悲しませる事はしたくない」

「そう…、よかった」

椿季は笑う。

椿季に言った事は本当だ。

あの時、貴文と電話をしている奥さん、すごく可哀想だった…。

あたしは結婚したら、貴文とはそう言う事はしない。

幸(ゆき)の事があるから、会わないわけには行かないけれど…。
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